守るものを石から心へ
もしお墓が海だったら、どうでしょう。
これまで「親が亡くなったら、お墓を守るのが子どもの役目」と考えられてきました。けれど今は、子どもが県外や海外で暮らすことも珍しくありません。遠くに住みながら、お墓の管理や掃除、帰省の負担を抱え続けることは、子どもたちにとって大きな重荷になる場合もあります。さらに孫世代までのことを考えるとお墓の承継は困難な場合も。もしお墓が海だったら、どうでしょう。海は一か所にとどまりません。大分でも、東京でも、海外でも、海を前にすれば「お父さん、元気?」「お母さん、こんなことがあったよ」と声をかけることができます。悩みごとを話したり、うれしい報告をしたりする場所が、もっと身近になるかもしれません。お墓を持たないことは、親を忘れることではありません。むしろ子どもたちが、それぞれの暮らしの中で、無理なく親を思い出せる形とも言えます。守るものを石から心へ。そんな供養の形が、これからの時代には合っているのかもしれません。
人はもともと自然の一部です。
人はもともと自然の一部です。地球の長い歴史も、生きものが生まれ、還り、積み重なってきた時間の連続です。そう考えると、最後は地球に還り、海を通して世界のどこかへつながっていく。そんな見送り方も、これからの時代には合っているのかもしれません。



